派遣労働者の雇用と労災をめぐる問題




◆相次ぐ労働局による是正指導

ここのところ、派遣労働者の雇用に関して、労働局による是正指導が相次いで行われています。
東京労働局は、今年5月に日産自動車(東京都)に対し、派遣社員の雇用の安定を図るように是正指導を行いました。これは、同社に勤務している派遣社員2人(いずれも20代女性)が、直接雇用を申し立てていたことを受けたものです。
また、広島労働局は、マツダ(広島県)に対して是正指導を行っていましたが、同様に、同社の自動車の委託生産を行っている取引先のプレス工業(川崎市)に対しても是正指導を行いました。これは、昨年末に雇止めされた元派遣社員の男性による「同社は派遣社員の短期雇用と再派遣を行っていた」との申告を受けたものです。
さらに、兵庫労働局は、三菱電機の子会社である三菱電機エンジニアリング姫路事業所(兵庫県)と同県の派遣会社に対し、実態は「派遣」であるにもかかわらず「出向」と装って派遣労働者を働かせていたとして、職業安定法に基づく是正指導を行いました。


◆増加する派遣労働者の労災事故

厚生労働省の調査によれば、2008年に労災事故で死傷した派遣労働者は5,631人だったそうです。2年連続で5,000人を超え、製造業への派遣が解禁された2004年と比較すると8.4倍になっています。しかも、労災事故を報告しない「労災隠し」が横行しているとの疑いもあり、上記の数は「氷山の一角ではないか」との声もあがっています。
このような状況を受け、厚生労働省では、派遣先事業場で発生した労災事故について、派遣先への求償権の行使を徹底することを目的として、過失割合の判断基準を作成する方針を明らかにしました。過去の損害賠償請求に関する裁判例などを参考にして、今年の10月頃までにガイドラインをまとめる意向のようです。


◆企業に求められるコンプライアンス

派遣労働者をめぐっては、偽装請負、偽装派遣、偽装出向などが一時期話題となり、新聞等でも大きく報道され、多くの企業が派遣労働者の雇用改善に取り組みました。
現在は「100年に一度の大不況」と言われる状況で、多くの企業が経営に行き詰まっています。しかし、そのような状況下であっても、「コンプライアンス遵守」の精神を忘れてはいけません。法律に則った派遣労働者の雇用、労災事故への対応等が企業には求められます。


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「有期労働契約」のルールを根本から見直しへ


◆厚生労働省が研究会を立上げ

近年、正社員と非正社員との賃金格差(対応した「改正パートタイム労働法」が2008年4月に施行済み)、景気悪化を背景とした期間工の雇止め、そしていわゆる「派遣切り」による失業者の増大など、「非正規雇用」や「有期労働契約」に関する事項が大きくクローズアップされています。今年3月末までに期間従業員約23,000人が職を失うとも報道されています。
有期契約労働者とは、「臨時雇い」(1カ月以上1年以内の雇用契約)と「日雇い」(日々または1カ月未満の雇用契約)の総称だと言われていますが、厚生労働省では、「有期労働契約」に関する法規制の在り方を根本から見直す方針を打ち出し、新たな有期労働契約のルール作りを目指すため、学識経験者・専門家(大学教授)で構成される「今後の有期労働契約の在り方に関する研究会」を立ち上げました。
先日(2009年2月23日)、研究会の第1回会合が開催されましたが、今後、労働基準法や労働契約法の改正なども見据えているようであり、議論が深められていきそうです。


◆非正規雇用社員・有期労働契約の問題点

これは2007年時点のデータですが、正規雇用社員の数は約3,441万人、非正規雇用社員の数は約1,732人となっており、1985年時点と比較すると、正規雇用社員は約98万人、非正規雇用社員は約1,077万人増加しており、以前と比べ非正規雇用社員の割合がだいぶ高くなってきています。非正規雇用社員の内訳は、パート社員が822万人、契約社員・嘱託社員等が435万人、アルバイトが342万人、派遣社員が133万人です。
このような状況において、上記の研究会では、有期労働契約に関して、(1)契約期間の上限制限(現行は原則3年、特例5年)、(2)有期労働契約の範囲と職種ごとの期間制限、(3)契約締結時の労働条件の明示、(4)通常の労働者との処遇の均衡、(5)契約の更新と雇止めなどに論点を絞り、いかなる法規制が必要なのか、または必要でないのかといった方向性を検討していくようです。


◆今後の動き−法改正はあるか?

研究会は、2009年度の早い時期に有期労働契約者の就業に関する実態調査を行ったうえで、有期労働契約に関する論点を整理し、2010年の夏ごろまでに報告書をまとめ、法律(労働基準法や労働契約法など)の改正を行っていきたい考えのようです。新聞紙上では、「雇止めの制限」「契約更新回数の制限」「最長3年間の契約期間の見直し」などが行われるのではないかと報道されています。
将来的には、有期労働契約に関するルールが大きく変わっていき、企業の人事労務管理に大きな影響を与えるようになるのかもしれません。



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「派遣」の労災、初めて減る 不慣れな若年、いぜん高水準



5月26日15時9分配信 産経新聞より

 平成20年の労災による死者数は前年比89人(6.6%)減の1268人で、8年連続で過去最少を更新したことが26日、厚生労働省の集計で分かった。労災による派遣労働者の死傷者数は5631人で、統計を取り始めた16年以来、初めて減少に転じたが、依然高い水準にある。

 集計によると、一般の労災の死者では、労災事故が多い建設業は430人と全産業で最多。製造業の260人と合わせ、これら2業種で過半数を超えている。

 原因別では、建設業で多い「転落・墜落」が311人で最も多く、次いで路上の「交通事故」が287人。「おぼれる」は前年の20人から38人にほぼ倍増した。

 3人以上が一度に死傷したり病気にかかったりする重大労災は、前年より12件(4.1%)減って、281件。災害形態の内訳は「交通事故」が125件で全体の約4割を占め、「中毒・薬傷」の69件が続いた。昨年の主な重大労災では、8月に東京都豊島区で、ゲリラ豪雨による増水で下水道管の工事をしていた作業員5人が流され死亡した事故があった。

 一方、20年の労災による死傷者計12万9026人のうち、派遣労働者は5631人(うち死者31人)で、前年比254人(4.3%)減となった。初めて減少に転じたが、労働者派遣法改正で製造業派遣が解禁となった16年の667人の約8.5倍で、依然高い数字を記録している。

 派遣現場の業種別死傷者数は、製造業が2965人で最多。製造業では経験年数が「1カ月以上3カ月未満」の“新人”による事故が27.7%で最も多く、年齢別では「30代」が28.2%、「20代」が25.0%と上位を占めた。経験が浅く、若年層の労働者が被災する傾向が浮き彫りになった。



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<派遣労働者>労災が3年で9倍 危険な業務裏付け…厚労省


8月21日2時30分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080821-00000016-mai-soci

 07年に労災で被災した派遣労働者(休業4日以上の死傷者数)は5885人(うち死者36人)に上り、製造業への派遣が解禁された04年に比べ約9倍に増加したことが20日、厚生労働省のまとめで分かった。厚労省が派遣労働者の労災件数を集計し明らかにしたのは初めて。日雇い派遣などの派遣労働者が十分な安全教育を受けないまま危険な業務に従事させられていることを裏付け、労働者派遣法改正の議論にも影響を与えそうだ。

 まとめによると、被災者数は04年の667人から年々増加。労働者全体の被災者数は04年が13万2248人、07年も13万1478人で派遣労働だけ被災者が急増している。派遣労働者数は04年の227万人から07年には321万人に増えたが、労災件数の伸びはそれを大きく上回っている。

 業種別では、製造業が2703人で最多。▽運輸交通316人▽商業308人▽貨物取り扱い127人−−と続く。特に日雇い派遣が多いとされる貨物取り扱いや運輸交通での増加が目立つ。

 年代別では、30代が29%、20代が26・9%で、20〜30代で過半数を占める。経験の少ない若年者が被災する例が多いとみられる。

 死亡労災では、「粉砕機の運転を停止せずに清掃して巻き込まれた」(食品製造)、「ドリルで穴あけ作業中につなぎが巻き込まれた」(機械機具製造)など安全教育の不十分さが原因とみられるケースがあった。

 派遣法を巡っては、秋の通常国会へ向けて厚労省が改正案の検討を進めている。日雇い派遣は原則禁止の方向だが、経営側からは「ニーズがあり一律禁止はなじまない」との意見が出され、禁止を求める労働側と対立している。

 派遣労働者が加入する労働組合「派遣ユニオン」の関根秀一郎書記長は「日雇い派遣など派遣先が雇用に責任を持たない登録型派遣では、安全教育がどうしてもおろそかになる。組合には労災隠しの相談も数多く、この数字さえ氷山の一角と見ている。きちんとした法的規制が必要だ」と指摘している


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「日雇い派遣」、原則禁止を提言=規制強化に方針転換−厚労省研究会



引用元:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080728-00000170-jij-pol 時事通信


 労働者派遣制度の見直しを検討する厚生労働省の研究会(座長・鎌田耕一東洋大教授)は28日、雇用が不安定な「日雇い派遣」の原則禁止や、企業グループ内で運営する派遣会社の規制強化などを柱とする報告書をまとめた。
労働者派遣法をめぐって規制強化が打ち出されたのは、1986年の施行以来初めて。
厚労省は30日に再開する労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の部会で、報告書を基に改正案をとりまとめ、今秋の臨時国会に提出する方針だ。
 報告書は、1日単位の日雇い派遣だけでなく、契約期間が30日以内の短期派遣についても、「違法派遣や労災など多くの問題を生じさせている」として、原則禁止を求めた。
通訳など専門業務については問題はないとする一方、危険度の高い作業などは禁止すべきだとした。 


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